| 塩さえあれば |
土曜日に見た映画はダム建設により
水没していく村に生きるひとたちのドキュメントだった。
村が沈むとわかってもなお村に残り
最後まで生活している人たちの様子を
15年にわたって記録したものだった。
「塩さえあれば家族の腹をいっぱいにすることができる。」
という言葉通り
家にはさまざまな漬け物、塩づけされたものが
納戸に保存されていた。
大家族でなくなった今もそれを守り
一日の糧として山に向かって
歩く姿は親戚のおばさんの姿を彷彿させた。
私の父の義姉も日本で一番老人世帯が多い
といわれている群馬県南牧村でまだなお山の頂上で
生活している。
小豆、いんげん、なす、きゅうり、白菜等の野菜を
わずかな段々畑に作っている。
今では冗談ではなく
しか、いのしし、さる、もぐら、さまざまな動物たちが
食物を求めておりてくるので
おばの作る野菜たちは作っても作っても被害にあっている。
わたしたちはおばのことを「仙人みたい」と呼んでいる。
山のてっぺんにたつ何百年も続く家を守るがごとく
動物たちがせまってきても
「今日は鹿を10頭見たよ!」
と豪快にわらってのける。
そして野菜を作ってはまた送ってくれる。
塩さえあれば。
これが日本人の根元なんだろうな。
私もぬか漬けはだいじにしようっと。
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