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terakoya1983

Author:terakoya1983
世田谷で学習塾寺子屋を1983年から運営しています。
2012年4月から長野県佐久穂町と世田谷区の往復生活が始まりました。大自然から受けとる事も含めてお伝えできたらと思っています。
世田谷教室 月曜日から金曜日
佐久穂教室 木曜日 その他オンライン
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寺子屋日記
寺子屋からのおたよりです。
往復書簡 2
Sさんから岩岡へ


Yが寺子屋に通い始めたのはちょうど自分が周りと違うとわかってきた頃でした。

「なぜできないのか?」「できない、できない。」と毎日言っていた時期でした。

相談に行っていた教育相談の先生に寺子屋を紹介していただきました。

初めて、いづみ先生と面談していただいた時に、

「得意な科目を伸ばしましょう。苦手なものは大きくなっても苦手なの。得意なものを伸ばして、苦手な教科をカバーしましょう。」

と言われたときは衝撃を受けました。

そしてほっとしたことを覚えています。

勉強が嫌いなYも寺子屋では勉強をしました。

Yのペースで勉強をさせてくれたおかげです。名前を書くのも嫌な子が、高校受験なんてムリと思っていました。

そんな子も無事に合格することができました。

寺子屋の先生たちのおかげです。先生たち大変だったと思います。ありがとうございました。

小学校生活は良い思い出がなく、先生たちには残念としか言えない様な指導でした。

人間の悪の部分を教えているような学校でした。Yが先生たちに言った言葉がいまだに残っています。

「先生たちはウソつきだ。」

先生たちはこの言葉をどう受け止めたのか聞いてみたいです。

小学校の経験から中学になり、パニックを起こすようになり、月1回、担任とカウンセラーと私で学校での様子、家庭で

の様子を話す共通理解の場を作りました中学校でもいろいろありましたが理解がある先生たちが多く、安定した生活を送れました。

心を作る教育、勉強を学ぶ場所、そんな学校になってほしいですね。

下の子の学校では、下のこの学年、1つ上の学年が学級崩壊しています。なぜ崩壊するの?先生たちと親との間に大きな

溝があるようです。

これからも親子共々よろしくお願いいたします。


岩岡からSさんへ


Yくん、春から高校生ですね。

本当にここにくるまでYくんもお母さんもお父さんもたくさんのことを乗り越えていらっしゃいました。

いろんなことにアンテナを張り巡らしているYくん。

私たちが気づかない音やにおい、状況を察知することで、わたしたちにはわからないつらさやそれをうまく説明できない

もどかしさをいつも抱えていたと思います。

そんな彼を見守り続けるうちに、彼のペース、言葉にはならない思いを感じることが少しずつできるようになり、寺子屋

のスタッフの間でもたくさんの意見交換をして、彼の思いに添うように務めてきました。

わたしたちは「できないことをできるようにする」よりも「できることを伸ばして行く」ことを選んでいます。

そちらを優先することで結果的に最初の目的を達成することも多いからです。

そして完全なる人なんていないんですよね。

特に一芸に秀でている人は必ずどこかへこんでいる部分を持ち合わせることが多いものです。

それが人の味。そしてその人らしさ。

それをみんなで見せ合うほうが、どんなに世の中が豊かになるのだろうと、自分の障害を持つ自分の娘を見ていてもつくづく思います。

ニュースには学校の現状は断片的にしか見えてこないので、学校の現状がどれほど困難になっているか全体像は見えにくくなっています。

しかし、子どもも、教師も、保護者も限界の中で学校という社会の中で生活しているのが現状でしょう。

不登校や発達に偏りのある生徒数がある程度の割合まで増えない限りこの国の学校政策は変わらないでしょう。

Sさん!また一緒にがんばりましょう。わたしたちもできる事に真摯に向かっていきます!


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往復書簡
塾生のお母様との往復書簡

*岩岡からお母様へ

小4の時から6年間近く、寺子屋に通っていただきました。

その間お母さんとずっとご相談しながらAくんの成長を見守ってまいりました。

ある時期から、Aくんの「今」を大事にしていきたいと強く思うようになりました。

それは「〜をできるようにする」または「〜は無理しても乗り越える」ということではなくて、「今」のAくんができるこ

と、Aくんが求めていること丁寧に拾い上げていくことだったと思います。

お母さんご自身も「決められている」「みんながしている」ことではなくAくんの中から湧き出ているものを感じながらそ

れに添っていらっしゃいました。

小さな変化も見つめ続け、感じ取り、見守り続けていらっしゃいました。ここ数年、最初の頃は考えられなかった大きな成

長の時期が彼に訪れました。

それは小さな波の一つ一つに丁寧に向き合っていらした結果の出来事だと思っています。

「彼のペース」「彼の呼吸」を大事にして過ごした6年を通して彼が自分の中に形作っていったのだと思います。

彼が持っていた「伸びようとする芽」の存在を信じてその芽に向かって信じる気持ちを送り続けたお母さんと6年間ご一緒

させていただいて私自身とても大きなものをいただきました。

どの子の中にもある「芽」を大切にしながらそしてその「芽」に向かって気持ちを注ぐことを私自身もこれからも大切にし

て来たいと思います。新しい生活おめでとうございます。


*お母様からのお返事

岩岡先生に出会わせていただいて、もうすぐ6年になります。

寺子屋がほんとうにすばらしいのは、子どもの成長を、長い目でご一緒に見守っていただけることです。

心から信頼できる大人に、安心できる環境で、継続的に、長期にわたり関わってもらうこと。

それが何より本人の魂の安定を導き、成長を支えてくれたものと思います。

それはどんな学校教育の場におきましても、全く不可能という訳ではありませんが、たいへん難しいことかと思います(少

なくとも、現在の日本の公立学校の通常学級におきましては。私見に過ぎませんが)。

それをしていただけた私たち親子はほんとうに幸運です。

また、岩岡先生は、「どの子の中にもある、伸びようとする芽の存在を信じる」ことの大切さについて書いてくださいまし

た。

岩岡先生は、私が、その「芽」の存在を信じ続けた、とも述べられておられますが、

私は、その「芽」は、寺子屋という場との出会いによってこそ見いだされたものであるように思えてなりません。

はじめて寺子屋の扉を叩かせていただいたときは、私の心中はとてもその「芽」を信じるどころではなかったのですから。

先生のもつあたたかさによって、その「芽」は守られ、ひかりを当てていただきました。

岩岡先生はじめ寺子屋の先生方みなさまに感謝を捧げます。

そして、これからも、長く本人の成長を見守っていただけましたら幸いです。


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